先日のこと、車の運転席の鍵穴に鍵が入らないので見て欲しいとのご依頼を頂きました。
現場に到着し確認すると、確かに鍵が先の方までしか入らない・・・
お車は、ホンダのウェーブキータイプの鍵の車でした。
写真はホンダのウェーブキーです。
十年くらい前から、採用されています。
今のホンダの普通車はもちろん、ライフやゼストなど、10年ほど前から使われています。
このカギ穴は、盗難防止用のピンが内蔵されていて、ピッキングが困難なのはもちろんのこと、ハサミやマイナスドライバーを万が一突っ込まれても、ピンが噛み込み、不正解錠されないようになっています。
現場に到着し、鍵穴内を覗くと、どうもピンの動きがおかしい事に気づきました。
さらによく見ると、ピンの一部が欠けているものがありました。
また、先ほどお伝えしたように盗難防止用のピンが変な位置で噛み込んでしまっているため、何をしても鍵が入らない状態でした。
いたずらをされたようで、正常ではない状態になっています。
ピンの状態を含め、鍵穴の内部の状態を詳細に確かめるにしても、修理をするにしても、何よりもまず、鍵を開け、ドアを開けねばなりません。
が、その車には、運転席側にしか鍵穴もなく、またキーレスエントリーのリモコンも、お客様が以前紛失してしまったそうで、手元にありません。
このような状態ですが、何としても鍵を開けねば始まらないので、ピッキングをしました。
何かあるとすぐに、ドアに工具で無理やり隙間を作り、差し金を突っ込み開錠をする業者もありますが、当社ではそのような車に傷を付ける方法は取りません。
誰の目から見ても、ぐちゃぐちゃに鍵穴が壊されているならそう言った方法もやむを得ないかも知れませんが、そんな状況でも、当社では、お車に傷の付くやり方は、極力避けます。
今回は、ピンの一部が掛けていたり、ハーフピンと呼ばれる盗難防止用のピンが噛み込んでいるだけなので、ピッキングでもいけそうだと判断し、作業をしました。
こう言った場合、鍵穴を覗きながら、ピンを一つ一つ押していき、適正な位置にはめ込み、全部のピンを揃えて開錠する方法を使います。
ホンダのウェーブキーであっても、通常ならば、概ね2~5分以内で開錠が出来ますが、今回はピンの一部が欠損していたり、ハーフピンが噛み込んでいるので時間が掛りました。
損傷を受けていないピンは通常通り押せるのですが、欠損したピンは押すところがほとんどないため、0.0数ミリしかない部分を見極めてピックを入れたり、噛み込んでしまったピンは解除したりしながら何とか開錠しました。
20分ほど時間を要してしまいました。
20分とは言え、とても細かい物を凝視し、集中しているので、すごい疲労が来ます。
が、ここで疲れているわけにはいきません。
ハーフピンが噛み込んでいても、ピッキングで鍵穴を回してやれば、通常は鍵で鍵穴を回された状態になり、ピンが正常な位置に戻り、その後は鍵が入るのですが、今回はやはりピンの一部が欠損していたため、ピッキングをしたあとも、鍵は先っぽまでしか入りませんでした。
欠損してしまったピンが、鍵穴の内部で何かしら正常ではない状態に動いてしまうのでしょう。
どうしてもドアの鍵穴に鍵が刺ささりません。
ピッキングにてドアは開けれるようになり、その鍵でエンジンは掛かるようなので、お客様にこのままディーラーに乗って行って修理に出すことをご提案しました。
もし、ドアが開いていない最初の状態でディーラーへの入庫をするならば、レッカー代が必要だったでしょうが、今はドアも開き、エンジンを掛けて乗っていける状態ですので、そうご提案をさせて頂きました。
しかし、ディーラーに問い合わせた所、修理まで2~3週間預けねばならないと言う事が判明。
お客様は毎朝毎夕、お子様の幼稚園への送迎でお車を使用しているので、そんなに長い時間は待てないとおっしゃられました。
当社で何とか修理をして欲しいとおっしゃられましたので、修理を引き受ける事にいたしました。
一度ハサミなどの異物を入れられてしまったなら、本当はディーラーや車屋さんで、新品の鍵に交換をしてもらった方が良いです。
なぜならば、修理・修繕をしても、新品の状態よりもハサミなどによる攻撃に対しての強度が、若干落ちる場合があるからです。
しかし、ディーラーや車屋さんにて、ドアの鍵を交換した場合、エンジンキーとドアキーが別々になってしまうので、不便さが出てしまいます。
また今回は、お客様のご要望として、
明日からも車を使いたい。
2~3週間も預けることが出来ない。
というものがありました。
先ほどお伝えした、強度が若干落ちる場合があることをお伝えし、それでも明日乗れるなら、総合的に考えても今修理してもらいたいとおっしゃられましたので、修理することにいたしました。
そこで、内張り(内装)を外し、鍵穴を取り出しました。
カギの救助隊福岡には、自動車整備士もいるので、こう言った作業もバッチリです。
ここが他の鍵店と全く異なるところです。
このように内張りを取り外し、鍵穴を取り出します。
この鍵穴をさらに分解し、ピンを取り出して行きます。
そして上の写真が分解して出てきたピンです。
上は一部欠損したピン、下が正常なピンです。
上のピンは、一部分、ホンの少し欠けてるところがあるのがお分かりでしょうか。
この写真は拡大したものですので、実際は肉眼では見にくいです。
また、鍵穴内部ではこの部品のほんの一部しか見えませんので、そんな中、どこが欠けてるので、どのようにピンを揃えようとか考慮しながら開錠するのは、本当に集中力を要する作業です。
このようにして、鍵穴を無事に修理し、お客様がお持ちの鍵で開閉出来るようになりました。
福岡県内では、悲しい事に車上狙い(車上荒らし)も多発しております。
車上荒らし犯や、いたずらで鍵穴を壊されてしまった車の修理もぜひお任せ下さい。
当社はできる限りお客様のお役に立ちます。
また、お客様のニーズでは、ディーラーでの鍵交換の方が良いと判断した際は、そのようにお伝えし、どういう手順で依頼をしたら良いのか相談に乗らせて頂きます。
車の鍵の事で困ったな、と思ったら、一人で悩まずにまずはお気軽にお問い合わせ下さい!