鉄が腐食したマンション共用部ドア枠の修繕

先日、顧客の不動産管理会社様から、マンションの共用部のドア枠が腐食して、ドアクローザーが取り付け部分からもぎ取れてしまったため、ドアが開きっぱなしなので、修繕をお願いしたいとご依頼を頂きました。

 

このページでは、その時の工事の様子をご紹介いたします。


なお、誠に恐縮ですが、こちらで紹介するような修繕工事は、カギの救助隊福岡の顧客の皆様からのみお受けしており、これまで取引のないお客様からのご依頼は現在お受けしておりませんので、何卒ご了承ください。

ですので、このページではこんな工事もあるんだと言う参考程度にご覧ください。

 

ただし、すでにカギの救助隊福岡と取引のあるお客様からのご紹介の場合は、お受けさせて頂きます。

(現在お使いになられている業者が対応しきれず困っているなどの場合は、一度ご相談ください)

部品を作ってドア枠の修繕

さて、今回修繕するドアは以下のドアです。

ドア枠の上部が雨風で浸食され腐食してしまってます。

鉄のドア枠が腐食したドア1
鉄のドア枠が腐食した共用部ドア

写真では少し分かりにくいかもしれませんが、鉄製のドア枠の上部が腐食して、ドアクローザーのアームの取り付け部ごともぎ取れてしまっているのです。

これではドアクローザーが機能しません。

 

マンションの共用部でオートロックのかかる部分のドアなので、ドアが開きっぱなしだと、防犯上かなりよろしくないですね。

もちろん、全てのご入居者様が、開けたらその都度手できっちりと閉めてくれればよいのですが・・・

 

とにもかくにもこのような状況なので、早急に対応する必要があります。

鉄のドア枠が腐食したドア2
腐食している部分のアップ
鉄のドア枠が腐食したドア3
ドアクローザーのアームの取り付け部分ごともぎ取れている
鉄のドア枠が腐食したドア4
腐食した部分の内側からの写真

本来なら、枠を全部取っ払って、新しい枠を付けて、コンクリートを流し込むのが一番ベストでしょう。

しかしながら、それをするには時間とコストがかなりかかってしまいます。

 

そのため、今回はすぐに修繕でき、なおかつコストもグッと抑えるため、鉄の鋼材を上から被せて修繕することに致しました。

鋼材にて被せ部品を作成

というわけで、鉄の鋼材のアングル、山形鋼を使用して、被せ部品を作成していきます。

被せる山形鋼の加工前
加工前の山形鋼

現在のドア枠のサイズを正確に測り、山形鋼に切れ目を入れていきます。

そして、バーナーで鉄が真っ赤になるまで熱します。

山形鋼を熱しているところ
測ったサイズをもとに切れ目を入れ、バーナーで熱する。

普通では力をかけても曲げることが出来ない板厚の分厚い頑丈な山形鋼ですが、鉄が真っ赤になるまで熱することで曲げられるようになります。

 

実際には切れ目を入れた所からアールが始まるため、枠の横幅と同じところで切れ目を入れると、ドア枠より大きくなってしまいます。

 

そのため、コの字に曲げた後にドア枠と同じ寸法になるように計算をする必要があります。

 

こうして大まかに完成した部品がこちらです。

ドア枠用に曲げた山形鋼
大まかに形を整えたところ

 

先ほどは、分かりやすいように、コの字に曲げた後ドア枠と同じ寸法になるようにせねばならないと書きましたが、実際には同じ寸法ではなく、ドア枠の寸法よりもほんの数ミリ大きめに作らねばなりません。

 

なぜなら強度を考えると、少し大きめの物をハンマーでドア枠の内側に打ち込んだ方がよいからです。

 

こうして微調整をして出来上がった被せ部品に、ビスを入れる穴を開けていきます。

鉄鋼材の被せ部品にビス穴を開けるところ
出来上がった部品にビスの穴をあける

当然のことながら、山形鋼は鉄製なので、そのままだと錆びてしまいます。

そこで錆止め塗装を行います。

錆止め塗装をした被せ部品
出来上がった被せ部品に錆止め塗装をする

こうしてようやく出来上がった被せ部品をドア枠へ取り付けます。

ドア枠より少し大きめに作成して、ドア枠に打ち込んでいるのでその時点で落ちてはこないのですが、分厚めの鉄の山形鋼ですので、重量がありますので、打ち込んだだけでは将来重みで落ちてくる可能性があります。

そこで今回は、さらに接着剤、ビス留め、ボルトナットの三種類の異なった方法を使い落ちてこないように取り付けしております。

 

こうして取り付け完了した写真が以下のものです。

ドア枠に被せ部品を付けたところ
被せ部品を取り付けたところ

少しわかりにくいので、比較写真として、作業前の写真を載せます。

鉄のドア枠が腐食したドア2
被せ部品を付ける前の腐食したドア枠
ドア枠に被せ部品を付けたところ(内側から)
被せ部品取り付け後の内側からの写真

ドアクローザーを取り付けて完成

こうして被せ部品を取り付けが出来ましたがそれだけではいけません。

開けたドアが自然と閉まるように、ドアクローザーを取り付けます。

被せ部品にドアクローザーを取り付け
ドアクローザーを取り付けたところ

実は、今回はドアクローザーも新調しました。

既存の物を使おうかとも思ったのですが、点検するとずいぶんと動きが怪しかったので。

 

共用部なので使用頻度も高いですし、重量のある鉄扉ドアですから、バタンと閉まって、ご入居者様が怪我をしてはいけないので、念のため新しいものへ取り替えたと言うわけです。

ドアクローザー取り付け後の共用部ドア
ドアクローザー取り付け後
作業完了後の共用部ドア
しっかりと自動で閉まるようになった

無事にドアの修繕が完了

こうしてしっかりとドアクローザーが機能するようになり、ドアが開きっぱなしになることはなく、ドアが自然に閉まるようになり、マンションの防犯性が再び確保されるようになりました。

 

本来ならば、ドア枠全体を新しいものに取り替えた方が良いのかもしれません。

ただ、ドア枠を取り替えるためには、コンクリートをはつって古い枠を取り出し、新しい枠を取り付けた後、コンクリートを流し込んで固めねばなりません。

そうなると、時間も費用もかなり掛かります。

 

今回は、迅速にマンションの防犯性能の確保が必要でしたので、この施工方法にて作業させて頂きました。

 

とは言え、現場をパッと見てすぐにこの山形鋼を使用して修繕する方法を思いついたわけではなく、時間とコストを抑え、なおかつ強度を確保する方法について、ずいぶんと悩みました。

 

決まった後、山形鋼をコの字に曲げた後、ドア枠よりほんの数ミリ大きくなるにはどこで切れ目を入れて、どこから曲げを始めるのが良いのか、ずいぶん計算するのに苦戦しました。

とは言え、もともと絵をかいたり物を作ったりすることが好きな自分なので、楽しく作業をさせて頂きました。

 

修繕が完了したドア枠を見て、建物のオーナー様にもお喜び頂き、大変嬉しかったです。

(現在は顧客の皆様からのご依頼が多く、施工例を紹介しておきながら、一般のお客様からのこういった作業をお受けできず申し訳なくはありますが・・・)

 

そんなわけで、このページはこの辺りで締めくくらせて頂きます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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