福岡市内の海水浴場で、烏に鍵を持って行かれた人の話


この記事を書いているのは、夏真っ盛りの8月半ばです。



皆様の中には、海水浴やBBQなどのレジャーを楽しんでおられる方も居られるのではないでしょうか。



私はこの時期になるといつも、とあるお客様の事を思い出します。



毎年夏休みシーズンになると、レジャーに行った先で鍵を無くしたり、はたまた海水浴場の駐車場で連続車上狙い(車上荒らし)犯の被害に遭ったり、置き引きの被害に遭ったりなどの理由で、鍵を変えて欲しいと言う依頼が一定量入ります。



が、今回お話するのは、そう言ったのとはまたちょっとタイプが違い、大きな鳥に鍵を持って行かれたと言うお客様の話です。


蒸し暑い夜に掛かって来た鍵開け依頼の電話



夏の太陽がようやく沈んだにも関わらず、まだまだ蒸し暑いある日の夜、一本の電話が鳴りました。


「家の鍵がなくなってしまったので、開けてほしい」


と言う、若い男性からのご依頼でした。


現場は、福岡市東区の流通センター近くのアパートでした。


「すぐに参ります」


とお伝えし、急いで現場まで向かいました。


現場に着くと、若いカップルがアパートの前に座り込んでいました。


暑さのせいか、その顔は疲れきっていました。


憔悴した顔のお客様



「お待たせしました」



と私が言うと、憔悴した顔に、少しだけホッとした笑みが浮かびました。



そして、電話を掛けて来てくださった男性の方が、


「夜分遅くにすいません・・・


お願いします・・・」


と、疲れきった顔でボソッと仰られました。



「かしこまりました。


すぐに開けますね」



と、お伝えし、本人確認を済ませたあと、すぐに作業に取り掛かりました。



烏に鍵を持って行かれたとお客様

 

アパートの鍵は、すぐに開きました。

 

 

カチャッと鍵が開く音がした時、お客様が

 

 

「あぁ良かった・・・

 

 

やっと家に入れる」

 

 

とおっしゃられました。

 

 

その後、

 

 

「実はですね・・・

 

 

ちょっと聞いてもらえます?」

 

 

とさらに言葉を続けておっしゃいました。

 

 

 

「どうされたのですか?」

 


と尋ねると、


 

「実は、鍵の束を、カラスに持って行かれたのです」



と、おっしゃられました。

 

 

突然空から降りてきた烏

 

 

「僕たち二人は、今日、福岡市内の海水浴場に遊びに行ってたのです。

 

 

砂浜にレジャーシートを敷いて、二人で海を眺めながらくつろいでいました。

 

 

そこに突然、空からカラスが僕たちの方に向けて急降下してきたんです」

 

 

「えぇっ、それは怖いですね」

 

 

「一瞬何が起きたのかわかりませんでした。

 

 

そして急降下したカラスが、何かを掴んですぐさま空へ飛び立って行きました。

 

 

飛んで行くカラスの足をよく見たら、何かキラキラと光るのもが見えました。

 

 

一瞬なんだろうと思ったのですが、



あ!鍵を持って行かれた!!

 

 

と気付いてすぐに追いかけたのです。

 

 

・・・でも空を飛んでいくカラスに追いつけるはずもなくて」

 

 

 

「そうだったのですか・・・

 

 

それは災難でしたね。

 

 

自分でどこかに落としたなら諦めもつくでしょうに」

 

 

「そうなんですよ。

 

 

さらに最悪なのが、その持って行かれたのは鍵束で、車の鍵も、会社の鍵も全てそこに付いていたのです。

 


海水浴場の駐車場から、車も動かせなくなって、どうしたら良いかもわからず、とりあえずレッカーを呼んで、ディーラーまで運んでもらいました。


 

鍵を持って行かれたのはお昼なのですが、そんなこんな色々あって、夜になってようやく家にたどり着けました。

 

 

今日はもうクタクタです。

 

 

やっと寝ることが出来そうです。

 

 

ありがとうございました」

 

 

 

と言って、お客様は家に入って行かれました。

 


夏のレジャーシーズン、鍵の保管はいつもより慎重に

 

 

夏、レジャーに出かけると、早く遊びたいと、気がはやってしまい、つい鍵の事に気が回らなくなりがちです。

 

 

が、遊びに夢中になっているうちに、鍵を紛失したりと言う事も、もちろんありますが、冒頭にお伝えしたように、泥棒もそんな心の隙を狙っています。

 

 

この時期になると、例えば花火大会に車で行き、車を駐車して、花火を見に出かけていたら、付近一帯の車の窓が全て割られていて、中の物が盗まれたという、連続車上荒らし事件などが発生したり・・・

 

 

海沿いに車を停めて、車のタイヤの上に鍵を隠し、サーフィンを楽しんでいたら、そのあいだに鍵と、車内の荷物を盗まれたりと言ったようなことが多く発生しています。

 

 

また、今回のお客様のように、動物に鍵を持っていかれるなんて事も起こるかもしれません。

 

 

もし、一日たっぷり遊んで、いざ帰ろうと思った時に、鍵が無くなっていたら・・・

 

 

せっかくの楽しい気分が、一気に吹き飛んでしまい、そして、楽しくなかった思い出しか残らなくなります。

 

 

 

かく言う私自身も、ずいぶん昔、福岡県朝倉郡内にある、夜須高原記念の森に遊びに行って、さんざん遊び回ったあと、帰ろうとしたら車の鍵がなくて、困った事があります。

 

 

その時の記憶といえば、草原の中鍵を探し回ったり、もうすぐ駐車場の閉門の時間だから、早く鍵を見つけて車を出せと管理人に言われたりしたなぁと言う、面白くないものしか残ってません。

 

 

あの頃はまだ、鍵屋の仕事をしていなかったので本当に困った困った。

 

 

皆様も、楽しかった記憶が、辛い記憶に変わってしまわないよう、鍵の保管には十分気を付けましょう!

 

 

 

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