先日、鍵交換のため、福岡市南区内のマンションにお伺いをした時の話です。
お客様はフルリノベーションをした中古マンションを購入した言うことでしたが、行ってみるとドアクローザーが、180度逆さまに取り付けられていて驚愕しました。
しかも調べて行くと、ネジ穴が作られていないなど、全くの手抜き工事でした。
リノベーションをした業者も、施工した業者がちゃんと取り付けをしているかなど、細かいところはチェックせずにお客様に引き渡したのでしょうか。
いずれにせよ、こんな状態である事を知らずに購入させられたお客様は、たまったものじゃないと思います。
最初にお断りしておきますが、そのリノベーションの業者や不動産業者は、私どもカギの救助隊福岡とは取引のない業者です。
私どもはこのような、手抜き工事をするような業者さんとはそもそも付き合いをしませんし、第一、もし取引先の業者だったら、ドアクローザーの取り替えは、私たちカギの救助隊福岡へ依頼が来ているはずなので、こんなありえない取り付けのまま、お客様に引き渡すなんてことはありません。
それでは、以下に写真付きで説明文を載せていきたいと思います。
お客様から
「中古マンションを購入し、今度そこに引っ越すことになったので、鍵交換をして欲しい」
とお電話を頂き、福岡市南区内にある、閑静な住宅街に佇む、とあるマンションへお伺いをしました。
玄関のピンポンを押しすと、女性のお客様がドアを開けて出てこられました。
お客様が開けた、そのドアの開き方を見て、まず違和感を覚えました。
そこでドアクローザーを見ると、どうもアームの位置が変です。
確かにこういう取り付け方法をするドアクローザーもあります。
が、台座がパラレル型と呼ばれるドアクローザー用のものなので、このドアクローザーはパラレル型であるはず。
そして、パラレル型はこのようなアームの取り付け方をしません。
(そもそも大前提として、マンションや戸建の玄関で、パラレル型ではないものを使用しているところはほとんどありません)
以下の写真は、私どもが工事した別の現場の写真です。
パラレル型のドアクローザーのアームは、これが正しい位置です。
そして、間違っているのはアームの位置だけではありませんでした。
お客様が
「中へどうぞ」
と、玄関の中へ招き入れて下さったのですが、ドアを閉める時、お客様自身が自分の力でドアを引いて閉めていました。
それはどう言うことかと言いますと、そもそもドアクローザー自体が機能していないと言うことです。
これは正しい取り付けに戻さないと、大変なことになるかもしれません。
現場に着くと、まずはお客様が、どんな種類の鍵があるか見たいとおっしゃられましたので、様々な種類のサンプルをお見せしました。
その中で、せっかくなので、防犯性能を上げたいとのご希望で、鍵交換用のシリンダーとしては最上級モデルとなる、カバスターネオを選んで下さいました。
カバスターネオは、その防犯性能の高さはもちろん、シリンダーの造りも非常に美しく、また唯一防蝕塗装が施されたシリンダーですので、永きにわたって美しさを保ちます。
カバスターネオのことについて色々と話したいことはたくさんありますが、ここでは長くなってしまいますので、割愛させて頂きます。
詳しくはKABAstar NEO特設ページをご覧下さい。
こうして商談が終わり、お客様から、
「それでは今から鍵交換をして下さい」
と言われたのですが、お引越しの日はいつですか?と尋ねると、一週間ほど先との事でした。
そこで、その一週間の間に、例えば清掃など、業者が入ることはありますか?
と尋ねると、業者が入るとの事でしたので、一つ提案をさせて頂きました。
「それでは、鍵の取替は、引越しの当日、もしくはその直前直後にしてはいかがでしょうか?」
と。
なぜそう提案をしたかと申しますと、個人的な意見ですが、せっかくの新しい鍵が、一度業者さんなど、他人の手に渡ってから戻って来るよりも、入居のタイミングで、新しい鍵を手にしたほうが良いのではないかと思うからです。
今回お客様がお選びになられたカバスターネオは、登録制のため、合鍵が他人によって作られている心配は皆無ですが、それでもやっぱり、ご入居の時に、お客様の目の前で封を切って新しい鍵をお渡ししたいと思います。
お客様も、
「確かに考えてみれば、その方が良いですね」
と言ってくださり、工事は引越しの当日に決定しました。
「それでは、また来週の引越しの時に参ります。
と、言いたいところですが、先程から、ドアクローザーの取り付けが間違っているんじゃないかと、どうしても気になるので、一度点検させて頂いてもよろしいでしょうか?」
とお伝えすると、
「えっ、そうなんですか??
全く気付きませんでした」
とおっしゃられましたので、
「今、お客様はドアを閉めるとき、自分でドアを引いて閉めておられましたね。
これって、ドアクローザーが正常に機能していないって事なんです」
とお伝えすると、
「そういえばおかしいですわね。
実は、この物件はフルリノベーションをしてもらったのですが、完成したので見に来たら、色々と手直しが必要な箇所がありまして・・・
ドア周りもその時に新しくしてもらったのですが、ドアクローザーまでは気づかなかったわ」
とおっしゃられました。
確かに、ドアの内側のシートは新しく張り替えられ、ドアクローザーも新しい物が付いています。
(ドアの外側は、マンションの共用部になるので、勝手に新しく出来ません)
が、前述の通り、そのドアクローザーが全く機能していません。
このまま使い続けると、せっかくの新しいドアクローザーが、壊れてしまいます。
幸い、まだお住まいではないとのことですので、取り付けられてから、そんなに多くの回数は開閉されていないはずです。
今正しい位置に戻せば、ちゃんと使えるかもしれません。
カギの救助隊福岡では、鍵交換の際に、ドア周りの修繕をサービスで行っています。
ドアクローザーの点検は、一週間後、鍵交換の作業をする時に一緒にやっても良かったのですが、
”一刻も早く戻さねば・・・
一週間後には壊れているかもしれない”
と言う思いから、その場で点検することにしました。
それにしても、アームの取り付け位置だけではなく、どうも全体的に違和感があります。
ちなみにアームの台座の取り付けに使われているネジは、自動車やバイク、棚などに使われるボルトでした。
住宅に使うようなビスではありません。
写真の矢印の先にある4本のボルトです。
住宅の玄関ですから、本来はもっと目立たない物を使用せねばなりません。
全くセンスがないですね。
ちょっと写真が少し見辛いかも知れませんが、このようなテーパービスと呼ばれるネジを使った方が、ネジが目立たなくて済むと思います。
テーパービスではなくボルトを使用するなどといった、センスがない工事をしたとしても、動作がちゃんとしていたのなら、見た目はともかく、機能上は問題がありません。
が、今回のドアクローザーは、ちゃんと機能していないのです。
アームの位置がおかしいだけでなく、もっと他に、何か全体的に違和感がありました。
そこで、いったん取り外したのですが、取り外してびっくり・・・
何と、プレートが逆に付いています。
写真ではわかりづらいかもしれませんので、補足の説明を。
写真を見て右側が吊り元側で、左側が戸先側になります。
が、写真をみてお分かりのように、プレートの左側に吊元側の表示があります。
つまり逆に取り付けられていると言うことです。
この状態で本体を取り付けると、本体が上下逆さまに付きます。
全体的に感じていた違和感の原因はこれだったようです。
上下逆さのまま動作させると、本来動かない方向に無理やり動かされる事になり、ドアクローザー本体が損傷してしまうので、元に戻さねばなりません。
とりあえず上下逆さはまずいので、正しい方向に戻すべく、プレートを外そうとしてまたびっくり。
なんと、左側に見える銀色のネジですが、ビス穴が潰され、バカ穴になっている状態でした。
銀色のネジは、ちゃんとねじ込まれているのではなく、そのバカ穴にただ挿し込んであるだけでした。
右側の茶色のネジの方はしっかりと留まっていたので、ビス二点だけで支えられている状態です。
この状態のまま動作していたなら、最初の数ヶ月は問題なく動くようにみえるでしょうが、最終的には右側に負荷が掛かり過ぎ、本体がもげてくるでしょう。
そこで別の場所に新たにビス穴を作り直し、プレートを正しい位置に取り付けました。
ちょうど良いビスが4つなくて、ビスの頭の大きさがそれぞれ違ってしまいましたが、とりあえずちゃんと動作するかどうかの確認だったので、今持っているネジ径が同じで頭違いのビスを4つ入れ込みました。
ちゃんと動作するようだったら、一週間後の鍵交換の時に、頭が同じビスを4つ持って来ようと思っていました。
見えない部分ですが、頭の大きさも同じに揃えたかったので。
しかし、いざ本体を取り付けてみると、時すでに遅し。
上下逆さのまま、無理な動きを強制させられたおかげで、本体は壊れていました。
本体の速度の調整をすればなんとかなるかと思ったのですが、調整ネジまでねぶられていて、調整が出来ない状態でした。
本当にありえない事です。
お金を頂いてするような仕事ぶりではありません。
想像するに、取り付けた人が、取り付け後、ドアが閉まらないため、速度調整弁の調整ネジを、焦って何度も回しているうちに、ぐちゃぐちゃになったのではないかと思います。
ここまで小一時間、作業をしてみましたが、本体が壊れていたのではどうしようもありません。
作業の一部始終を見ていたお客様から
「一生懸命やって頂いて有難うございました。」
と、言って頂いたのですが、ここまでやって本体が壊れているとは・・・
何ともやるせないですね。
「ところでお代は?」
とおっしゃられたので、サービスですよとお伝えすると、
「お金を払っているのだから、取り替えた業者に、きちんとやり直してもらいます」
と言う事でしたが・・・
一週間後、お引越しの日になり、鍵交換のため、お客様のもとへ再び訪れました。
ドアクローザーも新しいものに取り替えられていたようで、ドアもきちんと閉まるようになっていました。
今回は、機能も見た目上も、何の問題もないように、キレイに取り付けられているように見えたのですが・・・
アームの角度が間違っていました。
角度を正しい位置にするのはお安い御用ですので、その部分はサービスで正しい位置に戻しました。
(二回目にお伺いをしたときは、周囲が暗く、写真を撮れませんでしたので、写真はありません)
余談ですが、このようにアームの角度が間違っているお家って、実は結構あるんです。
もちろん、角度が違っていても、多くの場合、機能的には何の問題もないので、気づかない方がほとんどです。
機能的には何の問題もないなら、そのまま使っていても良いのでは?
と、思われるかも知れませんが、立地条件などで、ラッチング区間の調整が必要な場合(ラッチング区間の調整が出来る機種に限る)、アームの角度が違っていると、ラッチング区間の調整がうまくできません。
(もちろん、角度が正しくないと、不具合の出る機種も存在しますので、角度は正しいに越した事はありません)
ちなみにラッチング区間の調整がある機種とは、調整ネジが三つ以上ある機種です。
第1速度区間、第2速度区間、ラッチング区間と設定が出来ます。
調整ネジが一つしかない場合は、全体的な速度の調整しか出来ません。
二つある場合は、第1速度区間と第2速度区間と、二段階の調整が出来ます。
三つある場合は、前述の通り、上記の二つに加え、ラッチング区間の調整まで出来ます。
(ラッチング区間の調整を一般の人がしないように、三つ目がテープで塞がれているものもあります)
四つある場合は、さらに、任意の角度以上ドアが開かないようにしたり、ある角度以上は重くなるように調整が出来るようになっているものがほとんどです。
集合住宅などで、不意にドアを思いっきり開けると、廊下を走っている子供などに当たって事故が起きる可能性がある場合、一気に開かないように、動きを制御する事が必要な箇所に取り付けられています。
(とは言え4つ以上調整箇所があるものは、ほとんどありません。
新しい福岡市営住宅などで採用されているくらいです)
それでは、正しい位置とはどうかと言えば、下記の写真の通り、アームが、ドアと平行になっている状態です。
写真自体が斜めになっているのでわかりづらいかもしれません。
では、間違っている状態はどんなのかと言えば、以下の写真のような状態です。
アームが内側か外側のどちらかに傾いているお家は結構あるので、暇な時に一度、見てみてはいかがでしょうか?
今回は、ドアクローザーの取り付けがめちゃくちゃだった現場のご紹介をさせて頂きましたが、ここまではないにせよ、鍵や錠前、ドアクローザーの取り付けが誤ってされているお家がたまにあります。
私個人は、リノベーションや不動産に関しては知識がありませんので、あまり言えませんが、リフォームやリノベーションと言うと、高価な買い物だと思いますので、業者選びは慎重にした方が良さそうです。
無知はコストと言う言葉がありますが、知らないばかりに、変な工事をさせられていたということの無いように、しっかりと選びましょう。
福岡地区限定ではありますが、鍵・錠前・ドアクローザーなどの事で何かありましたら、カギの救助隊福岡へご相談下さっても結構です。
(福岡地区以外の方の場合、実際に見にお伺いすると言う事が出来ませんので、お役には立てませんので、ご了承ください)
また、リフォームやリノベーションの業者選びでお困りでしたら、福岡地区限定ではありますが、当社の取引先をご紹介する事も出来ますので、一度気軽にご相談下さい。