※こちらの記事は、読む人によっては一部不適切だと感じる内容かもしれません。
表現には最大限気を使っているつもりではありますが、読まれる場合は、自己責任でお願いいたします。
さて今回は、数か月前に、事故物件へ鍵開けへ行った際のことを書こうかと思います。
本当は書こうかどうかと悩んではいたのですが、厄落としの意味で書こうかなと思います。
というのも、思い出すたびに身体が重怠くなるので、書いてしまって一段落つけたいと思ったからです。
(と言っても、家の中に変なものがあったなどと言うわけではないのでご安心ください。ただ、感覚的に感じたことを書いているだけの記事です。
そんな訳で今回は写真などもなく、ただただ文字だけで構成された記事となっておりますがご了承ください)
まず、今回鍵開けに行った時の経緯についてお話いたします。
今回のご依頼は、顧客の弁護士様と司法書士様からのご依頼で、福岡県内のとある場所の戸建ての鍵開けと鍵交換をすると言った内容でした。
両者立ち合いでの作業であったため、全員の都合が合う日時を決め、後日現地へ行くことになりました。
予定日になり、現場へと向かいました。
ご挨拶をした後、鍵を開ける前に書類など確認事項を色々と確認しました。
と言っても何度もご依頼を下さっている方々ですので、確認をするのも気が楽です。
そんなわけで、玄関か、勝手口か、どちらかの鍵穴を壊さなければならない事を伝え、破錠の許可を頂きました。
こうして勝手口に内締まり錠がかかっていることに気づくこともなく、勝手口の鍵穴にドリルで穴を開ける作業に着手しました。
しかし、作業を始めると、何となく気持ちが焦り始め、普段どおりではいられない感じとなってしまいました。
そんな状態で作業を続け、もう完全に鍵が開く状況のところまで壊しました。
しかし、ドアは開くはずなのに、何をやっても開きません。
普段ならば、その時点で
(しまった、どこかに内締まりの錠が付いているのに気づかなかったんだ)
と、すぐに気づくのですが、その時は早く立ち去りたいと言う一心で、気持ちが焦ってしまってるので、そんな簡単なことにすら気付かず、
(何で開かないんだろう。早く現場を立ち去りたいのに)
と、ますます焦るばかりでした。
そのため、もう完全に鍵が開く状態になるまで穴をあけてるのに、穴のあけ方を間違ったのかもしれないと考え、さらに穴を大きくしていきました。
当たり前ですが、内締まり錠がかかっているのでドアが開くはずがないのですが、完全に気が焦っているためそのことに気付かず、どんどんと穴を大きくしていってしまいました。
こうして、玄関の鍵をドリルで破錠を開始しました。
この日はよく晴れていて、海も空もきれいで、気分も良くなり、ようやく気持ちも落ち着いてきました。
実はこの時はまだ、あの現場が事故物件かどうかは知りませんでした。
しかし、身体が重怠かったこと、ドリルの刃がポキポキ折れたり、高価な機械が車から落ちたり、開けられたくないと言う念を感じたり・・・
恐らくそうなんじゃないかなと思っていた程度でした。
しばらく身体の重怠さは続いていたのですが、それも徐々によくなりました。
それから半月ほど経ち、その日の事をすっかり忘れていたある日のこと。
顧客の不動産業者様から、
「最近、○○の辺り(現場があった住所)で鍵開けに行ったことあります?」
と、一本のお電話を頂きました。
実は、今回ご依頼下さった司法書士の先生を紹介してくださったのは、その不動産業者様だったので、
「ええ、行きましたよ。その近辺にある戸建てへ、ご紹介下さった司法書士の先生と一緒に鍵開けと鍵交換に行きました」
と答えると、
「あぁ、あの先生からでしたか・・・。その物件の中は見られましたか?何か変わった様子はありませんでしたか?」
とおっしゃられたので、
「いえ、自分は鍵開けをしただけなので、中は入っていません」
と答えました。
すると、その不動産業者様様から
「あの物件、実は事故物件なんですよ。家の中で、その家の人が自らの手で・・・」
と、衝撃の一言が。
そこで初めて事故物件だと知りました。
そして、その家のことを思い出すと、また身体が重怠くなりました。
「やはりそうでしたか・・・」
と答えると、
「やはりって、分かるのですか??」
と聞かれましたので、ドリルの刃が折れまくった話や、開けられたくないと言う念を感じた事などをお話ししました。
その方は、
「今度その物件に入るので、もし現場に行ったことがあるなら、どんな状態だったか教えてほしかったので電話をした」
と言うことでした。
ちなみにその方は、仕事柄事故物件に何度も入ったことがあるが、今まで何も感じたことがないとのことでした。
その時はそれで電話を終えました。
後日たまたまお会いしたので聞いてみると、あの電話の後、現場に行って中に入ったが、やはり何も感じなかったとのこと。
ようやく、あの時のことを書き終えました。
思い出すとその都度身体が重怠くなるので、書けば厄落としとなるかもと思い、早く書き上げたいと思っていましたが・・・
仕事の合間に書いていることと、思い出して書いているうちにしんどくなって一旦手を止めたりと言ったことが何度もあり、ずいぶん時間が掛かってしまいました。
それでもようやく書き終えることができたので、これで一段落できるかなと思います。
わたしどもカギの救助隊福岡では、一軒一軒のご依頼を丁寧に行うため、他の鍵屋ではあり得ないことですが、お仕事を予約制としています。
なぜ当店が予約制にできるかと言えば、それは顧客となってくださっている不動産業者様をはじめとする住宅関係の業者様や、アパート・マンション経営をされているオーナー様などの数が多いことがあります。
予約制を敷いてしまうと、新規のお客様からのご依頼の数が減ってしまいます。
そのため普通はこの業界では、予約制などはありえません。
(日本全国の鍵屋を探しても、予約制のところは、当店だけではないかと思います)
しかし、もう十分に顧客の数を抱えさせて頂いている当店の場合、せっかく当店をお選びくださっているお客様に対し、理念として雑な仕事は決して出来ないので、あえて予約制としています。
「今すぐに来い」「一分でも長く待つことは出来ない」と言った方からのご依頼を受けてしまうと、どうしても仕事が雑になってしまいますね。
そこで、そう言った「今すぐに」と言う方々からのご依頼は、お断りしています。
(あり得ないと思われるかもしれませんが、中には20分でお伺いますと言っても、「遅過ぎる」「もっと早く来い」と文句を言う人もいるくらいなんです。
そういったのを一件でも受けてしまうと、時間確保のため、今行なっている作業を、雑になっても、早く切り上げねばならなくなってしまうと言うことは、想像に難くないと思います)
前置きが長々となりましたが、このように予約制をとっているため、一般のお客様からの緊急の鍵開けはほとんど入りません。
と言うか、予約が詰まっている事が多く、お受けすることが出来ないと言ったところが正直なところです。
そのため、鍵開けと言えば、一般のお客様からの緊急ではなく、固定のお客様からの“日時を合わせてお伺いするパターン”が多くなり、必然的に何かしらの事情のある物件へ行く割合が多くなります。
今回のような事故物件に限らず、夜逃げ物件、ゴミ屋敷、強制退去など実に様々です。
予約制をとっていることが、訳あり物件に鍵開けに行く機会が多い理由です。
鍵屋の仕事は楽しいのですが、事故物件の鍵開けだけは正直辛いですね。
その中でも今回は特にしんどかったので、これで厄落としとなってくれると良いですね・・・
さてここからは、余談ではありますが、破錠・開錠・解錠について最後に書きたいと思います。
まず破錠とは、破壊開錠の略で、鍵穴を壊して開ける事です。