先日、佐賀県多久市のお客様より、サムラッチ錠が壊れかけているので取り替えてほしいとご連絡を頂きました。
通常、佐賀県はカギの救助隊福岡の出張エリア外ではあるのですが、今回はお受けしました。
受けると決めた経緯などについてはこの後書いていこうと思いますが、今回は遠方だったため、現地での見積りや、事前に現地確認した上で、対面で色々と提案できなかったために、全てLINE上で写真や絵などを使ってやり取りをしましたので、その様子も交えながら書いていきます。
そのため、いつもの施工例とは違う感じになるかもしれません。
最初に軽く、今回カギの救助隊福岡の出張エリア外である、佐賀県多久市の工事をお受けした事についてお話しさせて頂きます。
それはズバリ、佐賀県内で対応来てくれる業者がなかったそうだからです。
最初にお客様からLINEにてお問い合わせがあった際、
「佐賀県多久市は出張エリア外となっております。
カギの救助隊福岡からのお伺いは出来なくはないのですが、出張料がかかりますし、アフターサービスのことを考えると、佐賀県内の鍵の業者にご依頼された方が良いかと思われます。
ただ、探してみて、どうしても業者が見つからない場合はご相談下さい。」
とお伝えしました。
半年後、お客様から、いろいろと鍵の業者を探してみたが、対応できる出来る業者がなかったので、お願いしたい。」
とご連絡を頂きました。
お客様によると、佐賀県内の業者を何軒か当たったものの、どこの業者も、現在ついているサムラッチ錠は廃番品のため、そもそも交換が出来ないと言うか、それとも部品がない為ドア全体を交換せねばならないと言うかのどちらかだったそうです。
結論から言えば、確かに廃番品ではありますが、いくらでも対応する方法があります。
それでは、廃番と言われてしまった、お客様のお家についている錠前の写真を載せます。
このサムラッチ錠は、美和ロック製(MIWA)のLE-11と言うもので、廃番になっています。
このMIWA LE-11が壊れてしまっているとの事でしたが、どのように壊れているかお尋ねすると、親指で操作しても、ラッチが引っ込まない状態になってしまっているとの事でした。
サムラッチ錠は、最終的に内部が摩耗して、このような症状が出ることが多いです。
この状態になると、ドアを開ける際にかなりの力が必要となるため、例えばお子様などの力ではドアを開けることが出来なくなります。
また、ここから更に摩耗が進むと、ドアが開けれないようになってしまいます。
今回はこのサムラッチ錠を新しいものに取り替えていきます。
それではここから、実際にこのMIWA LE-11と言うサムラッチ錠を、レバーハンドル錠に切り替えた工事について説明していきます。
先に結論から申しますと、今回は以下の写真のレバーハンドルへと切り替えました。
今回選んだものは、同じ美和ロック製(MIWA)のLAと言う形式の物です。
MIWA LAを選んだ理由は
・レバーハンドル錠なので、お子様やお年寄りでも使いやすい
・MIWA LAは、マンションなどで広く使われている部品のため、将来廃番になりにくい。
・また、そのために部品の供給量も多いため、壊れたりした際に部品がすぐに手に入りやすい
・MIWA LAは、広く使われている部品のため、次回何かあり、佐賀県内の鍵業者を呼んだとしても、さすがにドア交換を言われることはないと思われるため
・LA用のシリンダーは鍵の各メーカーがラインナップしているため、防犯性能や使い勝手や価格など、たくさんの種類の中から選択することができるため。
・美和ロック社はLA用のレバーハンドルをデザイン別・材質別に沢山の種類を出しているので、その中から好きなデザインのレバーハンドルを選べること
などなど、理由はたくさんあります。
この廃番品のMIWA LE-11のサムラッチ錠を交換する際、今回はレバーハンドル錠MIWA LAへ切り替えましたが、その他にもいくつか方法がございます。
こちらのお客様のお家は、佐賀県の多久市のため、現地で色々と説明する事が出来ませんでしたので、基本的に全て、カギの救助隊福岡のLINEの公式アカウント内でのLINEのやりとりで説明させて頂きました。
その中で今回お客様へは
1.サムラッチ錠での交換
2.(今回取り替えした)レバーハンドル錠での交換
3.デジタルロックでの交換
の3パターンの提案をさせていただきました。
実際にお客様にLINEでお送りした写真を以下に載せます。
1.サムラッチ錠での交換
やはり一番きれいなのは、同じくサムラッチ錠での交換ではないでしょうか。
写真は、現行のサムラッチ錠の中では一番使いやすいと思われる、長沢製作所のサムラッチ錠です。
ただし、こちらのお客様のお家のMIWA LE-11のサムラッチ錠から、現在販売されているのサムラッチ錠に切り替える際に一つ大きな問題が。
それは、こちらのお客様のお家のサムラッチ錠は、把手(とって)の下部分に鍵穴が埋め込まれているのですが、現在販売されているサムラッチ錠で、このように把手下の部分に鍵穴が埋め込まれているものは、どのメーカーのサムラッチ錠にもなく、現行のサムラッチ錠にするならば、下の鍵穴は使えなくなってしまいます。
ですので、外観はあまり変えたくない。下の鍵穴は無くなってしまっても良い。と言う場合は、このように現行のサムラッチ錠へ取り替えるのがベストでしょう。
余談ですが、今ついている美和ロック製のLE-11の錠ケース(ドアの中に入っている錠の本体)と、現行のサムラッチ錠の錠ケースとでは、現行のサムラッチ錠の錠ケースの方が一回りサイズが小さいため、加工が必要ですが、僕にとってはその加工は朝飯前なので、ここでは細かい説明は省きます。
2.レバーハンドル錠での交換
上の写真はほかのお家で、サムラッチ錠からレバーハンドル錠に切り替えた時の写真で、実際にこの佐賀県の多久市のお客様にイメージとして送った写真です。
今回使用したレバーハンドル錠と同じMIWA LAを使用しています。
ちなみに、施工例ページの中の、使いにくい錠をレバーハンドルに(2)で紹介したものです。
実際にこの写真だけだと、イメージが湧き辛いかと思い、イメージの絵を作成し、お送りしました。
それが以下の写真の物です。
なお余談ではありますが、レバーハンドル錠に切り替える時に、サムラッチ錠の把手(とって)のアーチの部分を切り離し、下の鍵穴を活かす事に決めたのですが、切り離した際に穴が出来てしまいます。
その穴は、パテで埋めることにしたのですが、福岡市内であれば、事前に現物を確認しに行けるため、どのような穴が出来るのかわかるのですが、今回は佐賀県の多久市と言うことで、事前の現地確認が出来ません。
そのため、どんな穴が出来るのか、またちゃんと綺麗にパテで穴をふさげるのかががわからず、工事当日までずっと不安でした。
正直言いますと、お客様がこのレバーハンドル錠への切り替えを選択され、工事が決まった時、前日はあまり眠れませんでした。
この辺りの話は長くなってしまいますので、ここくらいにして、3っつ目のパターンのデジタルロックの写真を載せます。
3.デジタルロックでの交換
このデジタルロックへも取替可能です。
写真は実際に多久市のお客様にお送りしたものと同じものです。
NEROと言う製品のデジタルロックですが、このサイズならば、既存のLE-11のサムラッチ錠を外した後の切り欠き穴が隠れます。
なお、このデジタルロックへ切り替えたなら、その際もレバーハンドル錠に切り替えた時と同じく、既存のLE-11のサムラッチ錠の把手のアーチの部分を切断し、下の鍵穴を活かせます。
さて、これまで長々と、LE-11のサムラッチ錠から切り替えれるものの方法について説明していきましたが、ここからはようやく工事の説明です。
とは言え、実は工事中の写真などをゆっくりと撮っている余裕がなく、写真少なめです。
と言うのは、この日は朝から工事を始めたのですが、午後から悪天候が予想されていたため、工事を写真を撮りながらのんびりとが出来なかったのです。
上の写真はすべて外した所です。
この切り欠き穴を隠し、かつ防犯的に考えて、強度も確保せねばなりません。
切り欠き穴はステンレス板で作成したプレートで隠します。
プレートは四隅をリベットで留めてますが、万が一リベットを外されても防犯上問題の無いように設計しています。
そのプレートを使い、作業完了後の写真が以下の物です。
心配していた、サムラッチ錠の把手のアーチの部分を切り離した際の穴は小さかったので、パテにて無事に埋めることが出来ました。
元々はアンバー系の色だったのですが、新しく取り替えたレバーハンドルの色に合わせて、シルバーに塗装いたしました。
こうして、無事に佐賀県多久市での工事は完了致しました。
お客様によりますと、今回のカギの救助隊福岡の工事の費用は、福岡市からの出張料を含めても、佐賀県内の鍵業者に提示されたドア全体交換の金額の80%OFFの金額だったようです。
(金額は現在ついている部品・ドアの材質・選ぶレバーハンドルとシリンダー(鍵穴)の性能で異なるため、その都度お見積りさせていただきます)
今回の工事もそうですが、昔から、廃番品の鍵なのでドア全体を交換せねばならないと言う業者は多くいるようです。
ですが、今回長々と説明させて頂いたように、実際にはドア全体の交換などせずとも、何かしらの方法で対応できることがほとんどです。
もし、他の業者から、ドア全体を交換せねばならないと言われた時は、高額な費用がかかるとあきらめる前に一度カギの救助隊福岡までご増段下さい。
もちろん、お客様自身がこの際だからドア全体を交換したいと思っておられる場合は別ですが・・・
それでは、今回の施工例はこの辺りで。