玄関用の鍵としては、今やあまり見かけなくなった円筒錠。
別名ボタン錠とも言われ、内側のボタンを押してドアを閉めると鍵が掛かるという方式の錠前です。
防犯レベルが低い上、玄関用として使うには使い勝手が悪いため、敬遠されることが多い錠前でもあります。
今回はそんな円筒錠を、通常のドアノブ式の鍵であるインテグラルロックへ取り替える工事を紹介させて頂きます。
上の写真が、今回工事をさせていただくお家に付いている円筒錠を、室内側から写したものです。
別名ボタン錠と呼ばれるとおり、室内側にはボタンが付いています。
この円筒錠の鍵の掛け方は独特で、最初鍵の掛け方がわからない方もおられます。
室内にいる時に鍵を掛けるのはボタンを押すだけなので簡単なのですが、問題は外出時です。
外出時にどのように施錠をするかと言えば、やり方は以下の通りです。
まずはドアを開け外に出ます、指で内側のボタンを押し、そのままドアを閉めると施錠されます。
通常の錠前のように、鍵を使って施錠をする事は出来ません。
その為、うっかり鍵を持たないままボタンを押してドアを閉めてしまったなら、もう家の中には入れません。
毎日円筒錠の鍵を使っておられる方でも、急いでいたり疲れていたりした時には、うっかりと締め出しを食らったりします。
本当に不便です。
写真は室外側の鍵穴部分。
多くの場合、円筒錠の鍵穴は、ピッキング対策されていない物が使われています。
こちらの鍵穴もその一つで、ピッキングをすればわずか数十秒で解錠出来てしまいます。
例外は、同じ円筒錠でも、ホテルでホテルロックとして使われているタイプのものや、マンションの階段室などの共用部で使われているタイプです。
これらの錠前に関しては同じ円筒錠でも、もっとがっちりとして強度の高い高価なタイプのものが使用されていて、ピッキング対策もされていたりします。
しかしながら、アパートや戸建の勝手口で使われているものは、防犯レベルが低いものと考えて良いでしょう。
そこで今回は、円筒錠からインテグラルロックへ切り替えていきます。
本当はこちらのお家のように円筒錠が付いている場合、インテグラルロックへ切り替える以外にも、円筒錠を空錠(鍵穴がないドアノブ)に替えた上で、防犯上優れた面付本締錠を取り付けたりなど、色々な方法があります。
しかしながら今回のお家は賃貸のアパートであるため、外観をあまり変えてはいけないと言う制約がありましたので、円筒錠に外観が似ているインテグラルロックへの取替えとなりました。
(もっとも、賃貸で借りている物件は通常、そもそも加工をしてはいけないので、今回のケースのように、外観があまり変わらなければ工事してよいと言う許可が出ること自体、珍しい事ですが・・・)
上の画像は、インテグラルロックの説明のため、美和ロックのWebカタログよりHMの画像を載せました。
今回は、ドアに加工してこのタイプへと切り替えていきます。
ちなみに美和ロックでは、このタイプをインテグラルロックと言う呼び名ではなく、デッドロック付きモノロックと呼びます。
さて、ここからはいよいよ円筒錠から、インテグラルロックへの切り替え工事例の写真を載せていきます。
まず、上の写真ですが、こちらは円筒錠をドアから取り外した後の写真です。
インテグラルロックの方がケースが大きいのでこのままではドアに入りません。
そこでケースを彫り込むために穴を広げたところが下の写真です。
随分広げたことがおわかりいただけるかと思います。
そして実際に錠前を放り込んだ後の写真が以下のものです。
こちらは室外側。
そしてこちらは室内側です。
ボタンではなく、通常のサムターンに変わっております。
もちろん、外から施錠するときは、鍵を使って施錠する普通の方式に変わっております。
これで防犯上の性能も上がり、鍵を詰め込んで締め出しを喰らう心配もなくなりました。
さて工事の費用ですが、円筒錠からインテグラルロックへ切り替える場合、お客様が選択するケースのメーカーとドアの材質によって変わりますが、概ねお選び頂いたドアノブの金額に、ケース本体の金額8000円と彫り込み工事費12000円(木扉の場合)(税別)をプラスした金額が、お支払い総額となります。
今回の紹介させていただいたお家の場合、ドアノブが一般的な鍵のタイプの13000円の分に、ケース本体8000円と工事費の12000円をプラスした33000円(税別)でした。
ドアノブには防犯性能や握り心地、そして金額など様々ありますので、詳しくは
のページをご覧下さい。
また、事前にLINEにて写真を送って下さったお客様には、割引もございます。
ぜひご利用ください。