今回ご紹介する施工例は、マンションのごみ置き場のドア枠が壊れてしまって、ドアが正常に開け閉め出来なくなった状態のドア枠の修繕工事です。
今回はこのドア枠を修理していきます。
ドア枠はアルミ製なのですが、割れてしまっているようです。
穴が何箇所か開いているのは、ドア丁番を取り付けてはネジ穴がバカになり、また違うところに穴を開けて取り付けをしてと言うことを何回かしているからだと思います。
ネジ穴がバカになった時は、別のところに穴を開けなおして取り付けるのも良いですが、アルミの枠なので、強度が弱くネジ穴がバカになりやすいので、ターンナットなどの空洞の中側からナットを効かせてがっちりとネジを挟み込んでくれる部品を使い、補強するのが一番です。
しかしながら、写真では分かりにくいのですが、今回のアルミ枠には、一部亀裂が入っている部分があるため、その方法は使えません。
そのため、今回は枠そのものを強化してから、ドアを取り付けする事に致しました。
今回は鋼製のアングル材を使い、枠を補強していきます。
こうして錆止め塗装を施したアングル鋼材を、枠に取り付けます。
取り付けはビス留めだけだと、ビスの部分に負荷がかかるので、ドアの重さを全体的に分散させるために、まずは強力な接着剤を鋼材全体に付けてドア枠にくっつけた後、その補強のためにビスを使用しています。
ビスはやはり負荷を分散させるため何点も打っていきます。
こうして補強したドア枠に、丁番を取り付けします。
今回は二枚の丁番にてドアを支えますので、二つ取り付けします。
こうして完成したのが以下の写真です。
この丁番の取り付け作業は、ここまではわりと簡単ですが、問題はドアの側の取り付けです。
ドアの方には、ドア枠に取り付けた二枚の丁番の間隔と、寸分違わず同じ間隔で丁番を取り付けねばなりません。
1ミリでもズレが出ると、ドアの開閉時にガタが出てしまいます。
ここからは、1ミリのずれも許されないので神経を使います。
軽く小さなドアであれば抱えながら合わせて取り付けると言うことが出来ますが、そこまで重くはないものの、高さのあるドアなので、片腕でドアを抱えながら、穴あけ作業をして取り付けるというのは出来ません。
そのため、ドア枠側の丁番と丁番の間隔を測って、それをもとに、ドア側へ取り付けのネジ穴を作るのですが、何度もお伝えしている通り、1ミリのずれも許されないので、何度も何度も測りなおします。
せっかく寸分違わない所へ印をつけても、穴あけ時にドリルが斜めになって出来上がりの穴がズレたら最後なので、もの凄い神経をつかいました。
なお、ドアの方もアルミ製であり、アルミは鋼鉄に比べて強度がないので、将来ネジ穴がバカになっては困るので、ターンナットを使いネジ穴を補強しました。
こうしてドア枠とドアに付けた丁番をはめ込んで、動作確認して完成です。
ドア枠とドアにズレが出ているとガタが出るのですが、それもなくスムーズに動きました。
この瞬間が一番ほっとします。
こうして無事に工事が完了致しました。
亀裂が入ったドア枠を、新しいものに取り替えた方が仕上がりがキレイで安心ですが、そうなると費用も数十万円単位でかかってしまいます。
そのため、費用を抑えるため今回はこのようにアングル鋼材を使用して、ドア枠を補強してから、ドアを取り付けし直しました。
金額はドア枠の状態やドアの重さによって前後しますが、この方法だと費用はぐっと抑えれて、数万円単位で収まります。
ただし、元々のドア枠が補強に耐えれるほどの強度が残っているか、鋼材を入れる隙間はあるか、ドアの重さはどうかなどによっては、この方法が使えない場合がありますので、ご了承ください。
今回は補強をするための全ての条件が揃っていましたので施工が出来たと言うわけです。
それでは今回の施工例はこの辺りで。