廃盤品の錠前と鍵の取り替え(ヤマハ製ドア編)

 

ここでは、廃盤品の錠前が故障してしまった時の、代替品への取り替える際の施工例を載せております。

 

 

今回は、ヤマハ製のドアに付いている、YAMAHAの刻印がされているタイプの錠前から、美和ロック製の錠前に交換した工事をご紹介します。

 

 

ヤマハ製のドアを始め、古いドアに付いているシリンダーは、現在も手に入るものがあるので、鍵交換には出来る場合があるのですが、錠前本体(錠ケース)が故障してしまった時は、ケースそのものが廃盤となっていることが多く、取り替えが出来ない事がほとんどです。

 

 

そんな場合、他のメーカーの錠ケースに加工して取り替える、もしくはドアそのものを新しい物に取り替える必要がありますが、ここでは錠ケースを他メーカーに切り替えを行った工事の紹介をさせて頂きます。

 

 


ヤマハ製ドアの錠前(鍵穴部分)

 

上記の写真が、今回取り替える事になった、ヤマハ製のドアに付いている錠前です。

 

 


YAMAHAの刻印のある錠ケース

 

 

そしてこちらが、問題の錠ケースの写真です。

 

 

 

フロントと呼ばれる部分に、YAMAHAと刻印がある以外は、形式や型番を示すような文字やマークはありません。

 

 

写真を見てお分かりになられるように、ラッチボルトと呼ばれる、ドアを繋留しておくための部品が金属疲労で折れてしまっています。

 


錠ケースの取り替えが必要な状態なのですが、錠ケースが廃盤品のため、錠ケースの交換は出来ません。

 


その為、他メーカーの錠前へ切り替えました。




施工主様のご要望によって、施工内容は変わります。



先ほど、今回のような廃盤品の錠前が故障してしまった場合は、ドアそのものを取り替えるか、錠前を他メーカーのものに加工交換すると言う、二つの方法があるとお伝えしましたが、一口に錠前を交換すると言っても、どんなメーカーに、どのような加工をして取り替えるのかなど、いくつもの選択肢があります。

 

 

カギの救助隊福岡では、施工主様のご要望を出来るだけ詳しく、また細かにお聞きして、その都度お客様にとって最適な方法をご提案しています。

 

 

 

最終的に、お客様にとってドアの取り替えが望ましいと判断した場合は、そのようにご提案をさせて頂きます。

 

 

その場合、カギの救助隊福岡では、ドアの取替は行っておりませんので、お客様自身で、ドアの取り替え工事をしている業者さんにご依頼をしていただく事になります。

 

 

もちろん、当社は、たくさんの業者さんと取引がありますので、ご希望であれば、リフォーム業者さんや、ドアメーカーの営業担当者のご紹介は出来ますよ。

 

 

 

今回のお客様も、ドアの交換もご検討されてはいたのですが、色々とお話をさせて頂いた結果、最終的には、ドアの交換ではなく、錠前本体を他メーカーに切り替える工事の方が好ましいと判断しましたので、工事をすることになったのです。

 

 

 

今回の施工主様のご要望とは



では、今回の施工主様のご要望とはどんなものだったかを、以下に紹介いたします。



・施工主様は、この物件を賃貸に出そうと考えている。


・ドアそのものの交換も考えているが、つい最近ペンキ屋さんに塗り替えてもらったばかりである。


・現在はラッチが壊れているので、錠前の機能がしっかりしていたら、外観が変わっても問題ない。


・レバーハンドルの形状については標準的な物で良い。


・雨風が当たるので、色あせしにくいシルバー色が良い。


・今加工に費用が掛かっても、将来入退去があった際の鍵交換の費用が抑えれる方が良い。


・万が一将来故障した時も、部品が手に入る物が良い。



要約して箇条書きにすると、このような感じでした。



もちろん、細かい部分では、他にもいくつかのご要望がありましたが、全部書くとすごい文字数となりますので・・・




ご要望をお聞きして提案した施工内容


施工主様のご要望をお聞きして、最終的に今回選んだのはこの錠前です。




錠前取り付け施工後の室外側写真


美和ロックのWLAと言う錠前に、標準型のアルミ製のレバーハンドルをチョイスし、前の錠前の切り欠き穴を隠すための長座プレートには、他メーカーのステンレス製エスカチオンを使用しました。





それでは、この錠前をご提案し、施工させて頂いた経緯について、少しお話をしましょう。



まず、最初施工主様は、



「ドアが古いのよね。」



と言って、ドアそのものの交換をご検討されておられたそうです。



しかし、ドアの取り替えの見積もりを取った所、25万円~30万円程掛かる事がわかった為、迷っているとの事でした。



そこで、錠前の交換ならどうだろうかと思い、他の鍵屋さんに問い合わせたところ、廃盤なので取り替えは出来ないと言われたり、10万円以上は掛かると言われたりしたとの事でした。



そんな中、カギの救助隊福岡へ相談のお電話を頂きましたので、実際に現場を見に行きました。



実際にドアを見た所、ドアには、さすがYAMAHA製と言った感じの、良質な木が使われていたため、年月が経っていても、しっかりしていました。



ドアや枠に歪みなどはなく、まだまだ使えると判断しましたので、錠前の交換をご提案しました。



実は調べた所、確かに全く同じ錠ケースは、廃盤でもう存在していなかったのですが、サイズや切り欠き穴が近似した錠ケースはありました。



その錠ケースに取り替えれば、今のレバーハンドルや、長座プレートがそのまま使用出来るので、外観は全く変わりません。



しかし、鍵穴部分のシリンダー形状が違うため、シリンダーも新しいものに取り替えしないといけないのですが、そのシリンダーが若干高いのです。



今回の工事だけで見ると、その近似した錠ケースに取り替えると、ドアへの加工が必要ないので、費用を抑える事が出来ます。



(さらに、今のままの外観を保っていられます)



しかし、この物件を賃貸に出すとの事でしたので、今回は加工費が掛かったとしても、将来入退去があった時の鍵交換の際の費用が抑えられた方が良いのではないかと思い、美和ロック製の錠ケースでの施工をご提案させて頂き、決めて頂いたというわけです。



レバーハンドルによる価格の違いについて



ところで、同じ錠本体でも、取り付けるレバーハンドルの材質やデザインで価格が大きく異なります。



材質だけ例にとっても、標準のアルミを始め、ステンレス、黄銅、室内向けの樹脂製や、持ち手の部分に桜の木が使われているものがあります。



また余談ではありますが、美和ロックには設定がありませんが、ゴール社では、大理石(白・黒・緑があります)を使用したもの、木では桜以外にも、楢・黒檀があります。



また、同じ材質でも、ヘアーライン仕上げやバフ(ブライト)仕上げ、塗装で仕上げたものなどがありますし、形のデザインも様々あります。



他にも抗菌樹脂で作られたものや、抗菌塗装をしたものなどがあります。



ふだん皆様が何気なく見たり触ったりしているレバーハンドルも、実は奥が深いんですよ。



私個人は鍵のことが大好きですので、レバーハンドルやドアノブのことになると、まだまだ話したい事がたくさんありますが、長くなるので、今回はこの辺でやめておきます。



このように多種多様なレバーハンドルがありますので、どれを選ぶかで金額は変わるのですが、今回は賃貸にお出しになる物件ですので、標準型の物をご提案しました。





施工工事の内容


さて、前置きが長かったですが、いよいよここから、施工工事の内容をご紹介いたします。



まずは、施工前の写真をもう一度載せます。




施工前のドア全体図
ドアの全体写真
錠前部分の拡大写真
室外側
室内側の錠前の拡大写真
室内側



そして、取り外した壊れた錠ケースと、新たに取り付ける錠ケースの写真がこちらです。




新旧の錠ケースの写真



左側がこれまで取り付けられていたYAMAHAの刻印のある錠ケース。




そして右側が今回取り付ける美和ロック製のWLAです。



WLAは、マンション・アパートで広く使われているLAの木製ドア向けの製品です。



写真で見てお分かりのように、WLAの方が大きいため、既存の切り欠き穴を広げる必要があります。



また、鍵穴の中心から、レバーハンドルの付け根の中心までの距離をスページングと呼びますが、このスページングが、WLAの方が5ミリ広いので、この部分も加工が必要です。



(一般的に、スページングは、ある一定の距離までは広い方が使いやすいです。



LAを例にすると、LAの前身であるLDやLDSPは、スページング75ミリでしたが、使いやすいように設計が見直され、後継のLAは80ミリに広げられたと言う歴史があります。)






上記が、前の錠前を取り外したあとの切り欠きです。



この穴を広げてWLAを彫り込みます。



実は、写真で見てお分かりになるように、上に2点下に2点、貫通穴が開いているのですが、この切り欠き穴が隠れるような長いエスカチオン(プレート)は、美和ロックの純正品の中にも、他メーカーの部品にも設定がありません。



そこで、そのサイズのエスカチオンをオーダーメイドで作ってもらうと言うのも一つの手ではありますが、今回はコストの関係もあり、パテで貫通穴を埋める事にしました。



施工後の全体写真



そして、施工後の写真がこちらです。




錠前取り付け施工後の室外側写真
室外側
錠前取り付け施工後の室内側写真
室内側



ペンキは塗らず、そのままで良いとのことでしたが、一応サービスで手元にあったペンキでパテ跡を塗りました。



が、ペンキ塗りに関しては、サービスで行いますが、技術はそんなにありません上、塗装屋さんのようにたくさんのペンキを持っているわけではないので、色が合わない事がありますので、ご了承ください。




施工の料金や時間など

 

 

施工の時間に関しましては、今回のこの工事では3時間程掛りました。

 

 

また料金は、WLAの錠ケース、標準型のレバーハンドル(シルバー色)、U9の鍵穴、他メーカーのステンレス製エスカチオン、加工料金、福岡の出張エリア内の出張料を含め、総額で45000円(税別)でした。

 

 

(標準の料金のレバーハンドルは4種類あります。標準以外のレバーハンドルでは料金が変わりますので、その都度お問合わせ下さい)

 

 

標準型のレバーハンドルとシリンダーで、ゴールド色やブラウン色がご希望の場合、レバーハンドル・シリンダーそれぞれで1000円(税別)ずつアップとなります。

 

 

 

余談ではありますが、変色しやすいと思われがちなゴールド色ですが、黄銅製のレバーハンドルは年月が経っても美しい色を保てます。

 

 

色あせしても、磨けばすぐに輝きを取り戻せます。

 

 

(表面にクリア塗装がされている場合は塗装をを剥いだ後磨きます)

 

 

が、黄銅のレバーハンドルは、アルミ製のレバーハンドルに比べ高額になります。

 

 

 

鍵穴部分の色あせが気になる方は、KABAstar NEOのシリンダーが、唯一防蝕塗装を施されたシリンダーですので、おすすめします。

 

 

KABAstar NEO特設ページ

 

 

 

※料金に関しましては、扉の材質や状態などによって、前後する場合もございます。

 

 

今回はYAMAHA製のドアの錠前を他メーカーに切り替える工事の施工例のご紹介でした。

 

 

廃盤品の錠前のことでお悩みの方のお役に立てれば幸いです。

 

 

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