ここでは、引き戸への、鍵の新規取付の施工例をご紹介いたします。
引戸の中でも、二枚の引き戸が動く引違戸ではなく、片引戸です。
その中の、木製ガラス入りの引戸に錠前を取り付けていきます。
別のページ、引戸に鍵取付(引戸錠・戸先鎌錠)でご紹介したものと基本的には同じ工事です。
違うのは、そのページでご紹介した施工例は、一般家庭の入り口でガラス無しでしたが、こちらは店舗でガラス入りであると言うことです。
そのため、取り付ける鍵への考え方に若干の違いはございます。
それではここから、このガラス入り木製引戸への鍵を新規で取り付ける施工例をご紹介いたします。
上の写真は穴あけ加工前のガラス入り木製引戸です。
この引戸に錠前が入る穴を開けていきます。
錠ケースが入る四角い穴を彫り込み、鍵穴が入る丸い穴を開けた後、実際に錠前を入れ込みます。
こうして完成したわけですが、この引戸は、店舗のガラス入り引戸です。
ガラス入りと言う事は、ガラスを破壊された時のことも考えねばなりません。
そのため、今回は裏表どちら側からも鍵で操作する、両面シリンダータイプとしました。
そして下の写真は、鍵穴取り付け後の外観です。
なお、鍵穴の位置は目立ちにくいよう、戸を開ける把手(とって)の下の方にしました。
ところで、なぜ両面シリンダーかと言えば、ガラス破壊による泥棒の場合、通常は最初は、鍵を操作できる部分の一ヶ所のみ、ガラスを切ったり割ったりされることが多いです。
もし仮に、室内側が通常のサムターン(つまみ)だった場合、ガラスを切ってそこから手を入れられたときに、容易に鍵が
開いてしまいます。
しかし、内側からも鍵で操作せねばならない両面シリンダーの場合は、仮に泥棒に、ガラスを切ったり割ったりした部分から手を入れられたとしても、泥棒は開けることは出来ません。
もちろん、人間が入れるくらいに、ガラス全体を破壊されてしまったなら、そこから入られると言う事はありますが、ガラス全部を
破壊すると、音がかなり出ますので、通常はそこまではしない場合が多いと思います。
泥棒は、時間がかかることを嫌うため、時間がかかればかかるほど、途中であきらめる可能性があります。
音がしないようにガラスを切って、手を入れてサムターンを操作しようとして、室内側が鍵だった為開けれなかったなら、そこで諦めてくれる可能性が出てきます。
そのため、店舗の場合は、両面シリンダーをお勧めしています。
もちろん、先述したように、全体を割られたらどうしようもありません。
もし、全体を割られた場合でも大丈夫にしたいと言う場合は、防犯ガラスと言う手もあります。
防犯ガラスは、内外二枚のガラスの真ん中に膜があるタイプで、もし仮に外側のガラスを割られても、真ん中に膜ががあるため、内側のガラスが割れない仕組みになっています。
ただし、防犯ガラスはかなり高額なので、どこまで費用をかけるかと言う事になってくるでしょう。
次に、ガラス入りではあるものの、両面シリンダーを無条件でお勧めしない場合についても書いていきたいと思います。
お勧めしないのは、病院や療養所などの入院施設、宿泊施設、あるいは一般家庭の住居部です。
両面シリンダーであると言う事は、室内から鍵を開け閉めする際、鍵を挿して操作せねばならないと言う事です。
つまり、通常時は良いのですが、火災や地震など、緊急時に避難する際には、両面シリンダーは、鍵を開けて外に出るのに手間取って、不利になることがあると言う事でもあります。
そのため、これらの場所では、防犯性能と、緊急時の脱出の事とを天秤にかけてよく考えてから、どちらを採用するか決めた方が良いと思います。
今回は、ガラス入り木製引戸に、戸先鎌錠の両面シリンダータイプを利用して鍵を取り付けました。
しかし、毎回これが正解と言うわけではなく、ガラス入りの引戸でも、材質や枠の形、ガラスの位置、予算によっては、戸先鎌錠を使用せず、面付本締錠や、面付鎌錠・チューブラー鎌錠などで対応した方が望ましい場合もあります。
そのため、基本的には現地を見たり、お客様の要望をお聞きしたりして、都度都度の見積りとなります。
参考までに今回の工事の費用的には43000円(税込47300円)ほどでしたが、戸の状態で若干前後します。
LINEにて、写真を送って頂ければ、だいたいの費用についてお伝え出来ますので、LINEをお使いのお客様は、ぜひご利用ください。
それでは、今回の施工例はこの辺りで。